ホテル安心館

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 ホテル安心館、  何故こんな名前が付いたのか主人の山瀬キヨ子も知らなかった。  彼女が小さい時から祖父母が経営していたホテルだった。  町外れの淋しい所、 観光地でも何でもない場所にポツンと建っていた。  建物は二階建て、 昔は目立ったコンクリートの打ちっ放しも今は汚れてシミだらけになっていた。  当然客も少なかった。  月に4、 5回利用客が来ればいいほうだった。 一階が4部屋、 2階も4部屋で、 1階の入り口に近い一部屋にキヨ子が住んでいた。
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