2人が本棚に入れています
本棚に追加
--同じ--
目覚めより以前
それが
自分の夢なのか
誰かの記憶なのか
皆そろえて『青』を見ていたと言う
瞬間だった
ぶわっと暖かい気流が巻き起こった
目を閉じ体を緩やかに横たえたていた何人かが
ふわり
飛び
ひらり
ひらり
落ちていった
暗い暗い真っ黒な底へ
その時初めて下を見た
真っ暗な底は黒の絨毯の様に広がっていた
黒の上には無数の白の点のような桃色が
川のように列をなしていた
ぞわり
背筋に冷たいものか流れた
『怖い』
声が上がった
今の光景を見ていたもの だろう
泣くものもいた
手をつっぱり飛ばされないようにするものもいた
だが しばらくすると
泣き疲れたのか 手をつっぱり疲れたのか パタリと動きが止まり眠りにつく
とても穏やかな眠りに
やがて緩やかに横たわった体は
ぶわっと暖かい気流に乗せて
ふわりと『青』に飛び上がり
ひらり
ひらり
と黒に落ちていくのだった
それからだった
何度も
目を覚ますもの
青に驚くもの
青を眺めるもの
誰かと話すもの
怯えるもの
穏やかに眠るもの
その繰り返しであった
最初のコメントを投稿しよう!