仮題「赤」

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 責任って。でも、そうだよな、なんかもう流されるままに二度もシちゃってるけど、普通に考えたらかなり危険な事をしてる。この歳で考える事じゃ無いとは思うけど……。 『な~んて言ったら、石戸くん困っちゃうよね~』 「えっ?」 『いや、まあ……なんか初めてやった時もさっきの時も、結局僕が無理やりやった事だし。石戸くんはただの被害者だからそんな事深く考える必要は無いと思うよ』 「深く考える必要無いって……でもお前、仮に子供出来たらどうするんだよ」 『堕ろすよ』 「……は?」 『ん? 堕ろす。産めるわけないじゃん、まだ子供なのに』 「そ、そりゃそうだけど……」 『そんな事にならない為にこれからはゴムを着ければいいだけの話じゃん。そんな怖い声出さないでよ』 「いやいやいやいや、もう二回も出してんじゃん!」 『んー? 馬鹿だな、石戸くん。大丈夫な日を狙って襲ったに決まってるじゃん』  通話越しに西川が笑った。そんな当然のような反応を示されても困る。明言してくれなきゃ不安な方に頭が回るに決まってるじゃないか。 「ったく。……なあ、まだこんな事続けるのかよ」 『こんな事? セックスの事?』 「セッ……そ、そうだよ」 『うーん? うーん、まだ続ける気なのかと聞かれても。まだ始めたばっかじゃん。僕達』  そんな付き合い始めたみたいな言い方で言われましても……。 「こんな事してるとさ……そのうち誰かにバレるかもしれないだろ」 『なにそれ』  その言葉だけ西川は冷たく言った。そしてすぐに愉快そうな声で『ヘタレすぎじゃない?』と俺を嘲笑った。 「いやだって……今日とか学校の図書室でヤッて……あれももしかしたら誰かに」 『次はもっと危ない所でやってみようか』 「はあ!?」 『例えば……』 「いやいや待てよ!? 何だよそれ、つまりはバレたいって事なのかよ!?」 『そんなわけないじゃん。僕らの校内セックスがバレれば学年集会で晒されるし君の立場が危うくなる。僕にも哀れみの目が向けられ色々と噂されちゃう。何の得もないよ』 「なら……せめて、学年でやるのはやめようぜ!?」 『えぇ……スリルがあるじゃん』 「スリル!?」 『人生楽しまないとつまんないじゃん。これくらいの刺激はあっても良くない?』 「良くないわ! 俺を巻き込むな!」
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