第二十二章 苦肉の策

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その時だ。 頭上に設置されている十二個のモニターのうちの一つが突然激しい動きを見せ始めた。   「おや、何だ?」 激しい動きを見せているのは、牢獄内を映し出しているモニターだった。 映像でははっきりと分からないが、どうやら一人が横になり、その周りを三人が取り囲んでいるように見える。 「何やってんだあいつら? ちょっと見に行くぞ」 でぶっちょは気怠そうに立ち上がると、そそくさと監視室の外へ飛び出して行った。 やれやれ......二人も重い体に鞭を打ち、後に続く。 「ちょっと大丈夫? どうしたっていうの!」  牢獄内での叫び声は廊下へも響き渡っていた。 「おい、何やってんだ!」 「この娘の様子がおかしいのよ。何だかすごい苦しそう」 「何だと?」 看守達は首を伸ばし、横たわるエマの様子を伺った。 額には大粒の汗が吹き出し、顔は苦しみで歪んでいる。 これはただ事で無い! 異常な程の苦しみようだ。 「おいどうしたって言うんだ? 何があったんだ?」 「分かんないよ。うとうとしてたらうめき声が聞こえて......何かと思って起きたらこの有様だ。我々も何で苦しみ始めたのか検討がつかない」 山本は正直に有りのままを話した。 「ちょっとお前らは下がってろ!」  でぶっちょは牢獄内の三人にそう叫ぶと、腰にぶら下がった複数の鍵の中から一番大きい鍵を探り出し、鍵穴に差し込んだ。 「おい! 変なマネしたら撃ち殺せ。いいな」 「はいよ!」
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