第零章「始まりへと」

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ただ、生きる日々。 明日への渇望、そんなことをすることはない。 何を言っているのか。 自分でもわからないけど、要は強く願うことは無い。 そう、明日が楽しみだと思った事は一度もない。 何故なのかはわかっている。 それは己が期待してないから。 未来への期待がないから。 では、何のため俺は生きているのか。 わからない。 高校生である俺にはまだそういうことに考えるのは早いのかもしれない。 いや、遅すぎるのだろうか。 「おい、中村ここの問題を答えろ。」 数学教師が思考していた俺に対して問題を出していた。 「6ですね。解は。」 「正解だ。」 正解すると黒板に向き直り、次の問題を書き出している。 こんなやりとりももう15回目くらいか。 流石に飽きる。 異世界へ突然行ったり、突如謎の力が自分を巻き込んだり、実はすごい力が覚醒したりとなんかそういったお約束のようなラノベ展開があれば、自分は少しは変われるだろうか。 または美少女に告白されるとか。 幼馴染みなんてもいないしな。 天才的な頭脳があればもう少しは何か楽しめるかもしれない。 そんなことを思いながらも気付けばもう学校終わり、帰宅していた。 また、ベッドの上だ。 部活動というものがどうも好きではない俺はさっさと帰宅し、暇な…いや、窮屈な毎日を過ごしてしまう。 ピロロン♪ピロロン♪ スマホが鳴り出す。 だれからだ?そんなにラインやメアドなんて交換しないから誰からかまるで予想つかない。 とりあえず出ることにした。
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