第零章「始まりへと」

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「はい、もしもし。」 「…」 「もしもし?もしもーし」 「…」 存在は感じる。 だが、明らかに無声だ。 息一つ感じられない。 「あのー間違い電話や用がないなら切りますよ?」 次の瞬間、人の声ではなく謎の機械音が鳴る。 電話で聞いたことあるピーッとかそういう音ではなく、テレビの砂嵐のようなザッーという音だ。 「な、なんだ!?」 そして、機械音音は聞いたことのない音を鳴らす。 口では表現し難い音であり、頭が妙にズキズキする。 急に音が止まった。 「終わったのか?」 「いや、始まりだよ。」 「だ、誰だ!?」 先程までは息すら聞こえなかったのに男の声が聞こえるのだ。 「私かい?私は上田徳夜(うえだとくや)。君は私の実験対象に選ばれた!!」 「何の実験対象なんですか?」 冷静を装うために質問をする。 「君は人生を楽しめていない。それは私の調査で判明している。なら、そんな君のために滅多に出来ない経験をさせてあげるために素敵な実験をさせよう!!その気になっている実験の内容は…時間遡行だ!!」 「時間遡行…タイムスリップか!?」 「ご名答。覚悟も準備も出来てないだろう!!だが、冒険とは!!貴重な経験とは!!それは突然なのだよ!!さぁ、過去へと行くがいい!!中村裕也君!!」 そう言われた瞬間、視界が突如真っ暗になった。 俺の意識は突如失った。 「ふふ、楽しんでくるといい。」
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