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ミハイルの言葉を聞いてジェニーはワナワナと震えている。怒りなのか恥ずかしさなのかは分からない。
「いえいえ、坊ちゃん安心して下さい……」
ミハイルは手のひらをジェニーに向けて、したり顔で言った。
「もちろん正室です。側室ではございません」
簡単に言うなら、正室とは本妻の事で、側室とは愛人のことだ。
この神をも恐れぬミハイルの言葉にイルマはめまいを覚える。本気だろうか?それともただの馬鹿なんだろうか?ソフィア王の結婚となれば諸国を揺るがす重大事件だ。それを子供のおままごとのように簡単に言う。
「イルマ、お前はどう思う?」
ミハイルは自分の妙策を本当に妙策と思っているのか、イルマに意見を求めた。
「坊ちゃんはどうされたいのですか?」
イルマはミハイルの問いかけについてはガン無視をしてジェニーに聞いた。
横で聞いているシェルスターとしてはジェニーの答えは見当がついている。
「俺としては命の恩人である少将を助けたい」
シェルスターの想像通りだ。
そうだ。そういうと思った。その言葉の通り、ジェニーはあの赤毛の少将を助け続けて……いったい何度命を救った事だろう。
自分の身の危険も顧みずに……
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