第4章 よし!ダイワークに乗り込もう

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ダイワーク海軍司令官候補募集が終わる少し前の話だ。 「よしダイワークに乗り込もう」 ジェニーは事もなげに言う。 「お供します。陛下」 ミハイルも軽い調子で答える。 今、ジェニーの愛船ソフィアズ・エスペランサはダイワーク国近海で停泊している。ダイワークの危機を救うためにやってきたのだ。 ……なんと身軽な王だろうか。 そして、この船の船長室、つまりはジェニーの部屋で作戦会議中である。 以前カルファード、シェルスター、ジェニーの3人で行われていたようなお楽しみ会では無い。 今はソフィアの狂った野獣と呼ばれるミハイルとソフィアの見者(ケンジャ)イルマと無謀王ジェニーの3人で行われるソフィア王国最大のおふざけ会である。 特に口は挟まないがシェルスターも同席している。 ジェニーがミハイルとイルマに太刀打ちできない時に助け船を出す役としてここにいるのだ。 「待って下さい。あなた方は脊髄反射しかできないのですか?」 イルマがジェニーをたしなめるように言う。 「……イルマ?」 ジェニーは少しびっくりした表情をした。 口の悪いイルマとしてもこれは我が王に対して言い過ぎたかと少し困った顔をする。 「脊髄反射って何?」 「……」 ジェニーのこの質問にイルマはジェニー以上にとまどった表情を作る。 「とにかく、無鉄砲にも程があります」 「無鉄砲じゃない。作戦はある」 イルマの言葉にジェニーは力強く言い返した。 「ほほぅ……」 イルマはあくまでも馬鹿にした様子だ。 「……それはどんな作戦ですか?」 「ふふん」 なぜかジェニーは得意満面である。 「ダイワークはこの危機を乗り越える為に、現在海軍の新司令官を探している」 これは情報屋でイルマが掴んできたものだ。 「だから?」 「聞けば、アルバートは俺の変装である紅い獅子のジェイを捜し出して新司令官に推薦しようとしていると聞く」 「それで?」 「俺は紅い獅子としてダイワークに戻り、アルバートに会う……」 そこまで聞いたところでイルマは残念な顔をしている。 「……そしてダイワークの新司令官となり、おね、エランツォ少将を助ける!」 ジェニーのその言葉にイルマはある意味ぐぅのねも出ない。 「ふふん」 自分の智力がイルマをやりこめたと思ったジェニーは得意満面だ。 「シェルスター?」 ジェニーとの会話中に突然、イルマはシェルスターの名を呼ぶ。
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