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「なんですか?イルマさん」
シェルスターは悩ましい表情で答える。
「あなたはある国の王が他の国の海軍に所属して戦いに参加したという話を聞いたことがありますか?」
「……」
「……聞いたことがありますか?」
シェルスターは姿勢を正してから答える。
「……無いです」
「えっ!無いの?」
ジェニーは少しびっくりしてシェルスターに聞くが、ある訳がない!!
シェルスターは渋い顔で考える。
なぜ国王が他の国の軍に……今回の場合はいっきに司令官になれる可能性もあるが……兵士として参加して他国の為に命をかけて戦わなければいけない?いろいろな意味でおかしいだろう!?
「じゃあ、どうすれば良いと思いますか?」
「えっ?私?私が考えるんですか?」
シェルスターはびっくりした口調でイルマに聞く。
「そうです。それとも私が考えましょうか?」
イルマは言うが、それはジェニーの為によくない。確かにイルマは正しい答えを出すだろう。しかし、それはジェニーの気持ちに沿わない答えだ。ジェニーが納得しない。
となると、シェルスターが考えるしかないだろう。みんなが納得するような解決策を……
少し考えてからシェルスターは言う。
「エランツォ少将をソフィアに招く……」
このシェルスターの考えにはジェニーも少しだけ納得しそうな雰囲気だ。
「しかし、ダイワークが戦争に突入したら、少将は帰っちゃうよ」
「エランツォ少将が国に帰りそうになったら……」
「なったら?」
「……監禁……」
「却下!!」
シェルスターの大変な立場も考えず、ジェニーは彼の意見を力一杯否定する。
「エランツォ少将には今の生活を変えて欲しくない」
「うーむ」
さすがのシェルスターも唸る。良い方法など浮かぶはずがない。
「やはり俺がソフィア行くよ」
ジェニーはこれしか手が無いとばかりに言う。
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