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「まだ、ジェニーはソフィア王ではないでしょう?」
銀髪の青年が横から茶々を入れる。
「いや、坊ちゃんはソフィア王だ。すでに即位式が済んでいる」
「しかし、その即位式をすっぽかしたじゃないですか?」
「違う!不慮の事故で即位式に出られなかったんだ。即位式は行われた」
それを聞いて銀髪の青年はびっくりする。即位する王本人がいないのにどうやって行われたのだ!?
「替え玉をたてた」
「替え玉っ!?」
青年は思う。即位式に替え玉!?有り得ないだろ!!即位式とは国で最も重要な儀式では無いのか!?それを替え玉とは!?
「あのムーとか言う、こうるさいのが替え玉として祭壇に立った」
「ムー?彼は金髪碧眼じゃないですか?」
銀髪の青年はビックリして言った。
「大丈夫だ!!どうせ誰も気づかん」
黒髪の少年が金髪の青年に変わって気づかぬ訳が無いだろう。それに気づかないのはミハイルぐらいのものだ。
銀髪の青年と野獣のような中年はその後も、まだ王子だ!もうソフィア王だと言い合っている。
「ところでミハイル。何しに来たのさ?」
少年はため息をつきながら中年男に聞いた。
「いや、坊ちゃんはもう王子では無く、ソフィア王だと言いに……」
「違うだろ!!その前にここに大変だと言いながらやってきただろ!」
「ああっ!?」
中年男は思い出したとばかりに言う。
「ああっ! じゃない」
「大変です。陛下」
「陛下はもう止めろ」
少年はブスッとした表情で言う。
「坊ちゃん。大変です……」
「だからどうしたんだよ?」
中年男は急に真面目な顔になって言う。
「ダイワークの危機です」
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