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大学の受験会場で、柊翔と会った。
まさか、同じ大学を受けるとは思わなかったから、休憩時間に遭遇するとは思わなかった。
たまたま、前に要にちょっかいを出してきたチャラい奴を、同じ会場で見た後だけに、柊翔と"互いにベストを尽くそう"と話ができただけ気分がすっきりした。
そのおかげかわからないが。
俺も柊翔も同じ大学に受かった。
要から、"おめでとう"のメールが届いただけで嬉しくて、ついついニヤケてしまった。
"ありがとう"
こうして、メールのやりとりができることに、今は十分満足だ。
これからも、要に何かあったら、俺は何をおいても、助けに行く。
何の見返りもないのは、十分承知の上。
そもそも、そんなもの期待していない。
俺は要が幸せなら、それでいい。
「馳川先輩っ!卒業おめでとうございます!」
体育館を出たところで、剣道部の後輩たちが、花束を持って待ち構えている。
俺は、要への気持ちは卒業なんかしない。
これからもずっと。
お前のことを想ってる。
-Fin-
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