離れても君を想う

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「メェェェェェン! !」 「面あり!」 "おおおおおおおおおおっ!" 会場中の歓声が、試合場にいる俺たちに土砂降りの雨のように降り注ぐ。 高校最後の県大会での決勝。 優勝した俺は、次は全国で、鴻上 柊翔(コウガミ シュウト)との再戦に期待に震えた。 そして、きっと獅子倉 要(シシクラ カナメ)も一緒に来るはずだ。 「馳川先輩!」 「馳川先輩~っ!」 「先輩っ!」 試合場に向かって挨拶をして振り返ると、後輩たちが嬉しそうに俺を迎え入れた。 「馳川、よくやった!」 顧問の岩舘先生が、満面の笑みで俺の肩をバンバン叩く。 「痛いですって。」 この人は、力の加減ってものを知らないから。 まったく。 「悪い、悪い!いやぁ、しかし、大丈夫だとは思っていても、試合は最後までわからんからな。正直、俺の方が緊張してたんじゃないかな。」 豪快に笑う岩舘先生に、俺もかすかに微笑む。 「・・・ありがとうございます。」
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