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「柊翔も、鴻上のおじさんやおばさんもいるから、大丈夫かもしれないが・・・」
「一応、しばらく様子見ますか」
「・・・ああ。忙しいかもしれないが、宇野、頼む。」
「いえ、大丈夫ですよ。」
いつも俺のために動いてくれる宇野に感謝しつつ、俺は受験勉強に励んだ。
剣道ばかりだったせいで、学業のほうが、追いついてなかったから。
柊翔は、そつなくこなすタイプだったが、俺はそんなに器用ではない。
宇野からの報告で、要は柊翔が面倒を見てくれてるらしく、今はだいぶ落ち着いてるらしい、とのことだった。
文化祭の時期になった頃、そろそろ、宇野たちを引き上げさせる頃合いかと思った時に、事は起きた。
要の父親に、女の存在が明らかになったというのだ。
最悪なことに、あの父親と、女とその子供に鉢合わせしたらしい。
妻が亡くなって、まださほど時間がたっていないというのに。
・・・要がどれだけショックを受けているか。
怒りで身体が震えてしまう。
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