怪談DJ『心霊写真』

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「え、ベンチの下に潜るの?」 「そうそう。このくらいのスペースがあれば、いけると思うんだけど」 友人の1人がベンチに腰掛け、別の友人がベンチの下に潜り、Wさんがカメラを構える。 服を泥だらけにしながら、ああでもないこうでもないと構図を考え、納得のいく写真を数枚撮影した。 写真が現像できたら学校に持っていく事を約束し、Wさん達は公園を後にした。 4日後、現像出来た写真を持って学校へ行くと、昼休みを利用して友人達と一緒に写真を確認した。 高台から見下ろした街を背景に撮った写真、おどける友人達を撮った写真。 1枚1枚めくっていく。 もちろん、ベンチに座った友人の「なんちゃって心霊写真」もあった。 「あー、これは明らかに人がいるって分かっちゃうだろ」 「これもダメかなー」 「お、コレなんかいいんじゃないか?」 そして、次の写真をめくった瞬間、Wさんの手が止まった。 そこには、Wさんが撮影した覚えのない写真が存在していたのだ。 「なあ、これって誰が撮ったんだ?」 ベンチに座る友人と、ベンチの下に潜り込もうとしている友人、位置を指示している友人……そして、カメラを構えるWさん。 あの場には自分を含めて4人しかいなかった。 撮ろうとしているモノがモノだけに、周囲に人がいないのは何度も確かめた。 ならば、今目の前にある写真は……一体誰が撮影したものだと言うのだろう? Wさんの全身にザッと鳥肌がたち、弾かれたように手にしていた写真を机の上に放り出した。 「結局、撮影した写真は全部、学校の焼却炉で燃やしてしまったそうです。その後、Wさんにも友人にも特に何事も起こらなかったそうですが、心霊関係に対する熱はすっかり冷めてしまったと言っていました。以上が、私がWさんから聞いた話です」 マイクに向かって話し終えると、私はミュートボタンを押してBGMの音量を上げた。 了
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