プロローグ

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プロローグ

 暗闇の中。  ほんのりと淡緑黄色(たんりょくおうしょく)で照らされた部屋はどこか幻想的で、そこに立つ彼は普段とは違って見えた。  近づいて来る彼はとても整った顔をしていて……。  口元には赤い血が付いていて、それを指で(ぬぐ)った。  そんな仕草も妖艶(ようえん)でつい魅入(みい)られてしまう。 「なぁ……俺の秘密、知っちゃった?」  そう言って弧を描く口元に視線が吸い寄せられる。  ドクドクと心臓がうるさいほど。 「俺とヒミツの関係、なってよ?」  
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