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「女の子の名前はゆかりと言う」
「俺は少し動揺したよ。まさか元恋人と同じ名前だなんて」
「紛らわしいからこっちはゆかりちゃんと称するとして、そのゆかりちゃんにここはどこか訊いたんだ」
「だがここの土地に名前は無いらしく結局そこは分からなかった。プチ秘境どころか本物の秘境だよホント」
「ゆかりちゃんは俺が迷子だと察したらしく俺を自分の村に案内してくれた。そのときに軽く雑談をしたんだが思いの他ゆかりちゃんは話しやすかった」
「よく聞いてくれて愛想も良い。俺に限らず男の理想の女とも言って良い。そこでつい口がすべって恋人と別れたことも話してしまった」
「こんな話普通嫌がるだろうに・・・しかしゆかりちゃんは嫌な顔せず聞いてくれて仕舞いにはうちの村に住んでそんなこと忘れましょと言ってくれた」
「思わず涙が零れたよ。別れたショックで優しさに飢えていたのかもしれないな」
「まあ気持ちは嬉しいが俺も自分の生活がある。だから少しの間だけならというわけで俺はその村に一年間暮らした」
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