第1章

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「あれはGWに入る数日前だった」 「その日学校は休みで部活が終わった後ゆかりの家に遊びに行ったんだ」 「あ、ゆかりってのは俺の恋人な。そんな分かり切った惚気はよせと?いや、そうでもない。今となっては昔の話だ」 「突然やって来たせいかゆかりの様子は不機嫌にみえた。ただゆかりは優しいから俺を追い返したりせず歓迎してくれた」 「その時にケーキと紅茶が出てきた。しかも市販じゃない手作りのケーキだ。ゆかりはお菓子作りが趣味でよく俺に作ってくれた」 「俺は今でも思う。なんて馬鹿なことをしたんだと」 「それはゆかりがトイレに行っていたときだ。そのときには俺はもうケーキを食べ終えていた。ただ数時間前まで走ることに体力を使っていた俺はケーキ一個では物足りなかった」 「だから俺は食べてしまった・・・ゆかりの残していたケーキ全てな」
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