LV2 人は皆、本能の奴隷なのだ

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本日も快晴、太陽が天空直上に燦然と輝くお昼時。 今日も魔王は、いつものようにベッドから這い出した。 「……もう朝か。ふぁぁぁ……だっる」 彼女にとってこの時間はまだ朝らしい。 昨晩もやはり、ゲームに熱中していて、気付いた時には午前5時を回っていた。 流石に眠気に負けて布団に潜り込んだのだが、毎日そんな生活をしていてはだるさが取れないのも必然である。 「……うぁ、やべ。おしっこ漏れそ」 まだ頭がふわふわしている半覚醒状態の魔王だが、強烈な尿意を確かに感じ取っていた。 最後に用を足したのは15時間も前のことなのだから無理もない。 流石にいい年になって、その場で垂れ流すわけにもいかない魔王は、トイレへと足を向かわせた。 眠気眼を右手でこすり、寝癖の付いた赤い髪を梳かすこともせず、ピンクのパジャマそのままの格好で、城の中を歩いていく。 そしてトイレがあるのは、一階と二階。何故か魔王の私室のある三階にはない。 面倒くさい……が、漏らすわけにもいかない。 なんで三階にもトイレつけねぇんだよ、と心の中で悪態づきながら、よたよたと階段を下っていく。 「あー……めんどくさ。なんでトイレまでこんなに歩かなきゃいけねーんだよ……」 いくら文句を言ったところで、尿意が引くわけでも、トイレが自分の元へ移動してきてくれるわけではない。 そんなことは魔王ももちろんわかっているが、言わずにはいられなかった。 そして、とうとうトイレの前へたどり着いたその時。 「ぶぁはァッ!?」 トイレの扉が勢い良く開き、魔王の顔面に激突した。
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