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side 恭二
十六夜から緊急の連絡が入っているのに気づいたのはついさっきだ
メールには『体育館倉庫』とだけ書いてあった
どういうことかわからないままタバコを吸いながら体育館倉庫に向かった
「悪い、遅くなった。
で?どういうことだ?」
「それがなー、なんか制裁されてる子守ったら巻き込まれてもうたらしいねん。前から気に食わなかったー、とか言って蹴られたらしくてなぁ。幸い怪我は打撲程度やねんけど媚薬盛られたらしいんよー」
ちゅーわけで頼んだで!といって風紀委員の所に行ってしまった十六夜
まじかよ…
てか鈴が誰かの反感買うようなタイプか?
確かに親衛隊長をやってるから敵がいるだろうがクラスメイトや先輩後輩と仲良くできるし、愛想が良くて人懐っこいから教師からもいい印象だし、頭が良いからか距離感を掴むのがうまい
…褒めすぎか?
しょうがねぇだろ、コイツのこと好きだしな
ただ、俺は教師でコイツは生徒なんだ
こんな感情あってはならないものなんだ
「??せんせー?
どーしたのー?」
座っていた鈴に不思議がられちまったな
とりあえずは場所をかえなきゃだな
「怪我の手当てすっから移動するぞ」
「??保健室、混んでるよ?」
「はぁ?」
「だって、聖希さんが来てるから」
聖樹…、あぁ、国見か
国見 聖樹(クニミ セイキ)
この学園の保険医だが普段は滅多に居らず国立病院で仕事をしている
イベントや行事の時は来ているので保健室が混んでるらしい
「…ならいつもの場所だ」
「じゅんびしつ」
「あぁ、着くまで寝てていいぞ」
そう言って俺は鈴をおんぶする
倉庫を出るとまだ全員を連行し終えてないようで風紀委員が忙しなく動いていた
その横を通り抜け、社会科準備室へむかった
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