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「ふぅ…」
「せ、先輩!!!なんっスか!?今の!!」
「え、普通に下段の構えだけど」
「いや!だって!!下段の構えって!「剣道においてなんの利点もない、か?」
「部長!!!
そうですよ!なんで下段の構えしてるのに俺負けたんですか!?」
「柊は一旦落ち着け、な?
コイツは別なんだって!
反射神経と動体視力が異常だからな」
異常ってのは心外だな
そう思ってすこしムッとする
「そうムッとするな。えっとな、確か動きがコマみたいに見える?だっけ?、で、相手の動きも無意識的に避けられるらしい。」
そうだったよな?と俺に振ってくる部長
「…まぁ8割あってます。速い人相手だと頑張ってもスローまでにしかならないし、それも太刀筋や動きが読めないタイプだったら意味ないし。」
「でも、それだけじゃないっすよね?」
柊の目付きが鋭くなる
なにかを探るような顔だ
「…まぁそれに伴うような速さをつけるよう努力している」
「お前、充分速いだろーが。」
「…中段の構えのほうが速くなるんじゃないんすか」
「…それは、なぁ?」
「……中段は疲れるから、下段はずっと力入れてなくても良いし。」
「え、」
「やっぱびっくりするよな!?俺もそう思うぞ!!」
「…そろそろ次の指示出さなくていいんですか」
俺が言うと部長はそうだった!と言って行ってしまった
「…ふはっ、おもしれぇ。」
その一言は誰の耳にも入らなかった
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