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恭弥は奇跡の復活を遂げた。
この奇跡的な出来事に、まさか天狗が関わっているとは思わないだろう。絵美里は「よかった」との言葉を漏らし涙目になって抱き付いてきた。嬉しい気持ちと物の怪だとばれやしないかとの気持ちが複雑に絡み合っていた。
身体はどうにか今まで通りの人の姿のようだとホッと胸を撫でた。
後になって気づいたことだが、身体能力が今までとは違った。軽くジャンプしてみれば、天井に手が届いてしまう。動体視力も半端ない。蠅の動きがはっきりわかる。捕まえることはお手の物だ。うまく能力を隠し通さなくては。
それくらいのこと、隠し通せるさ。大丈夫だ。
絵美里と過ごせるのなら、物の怪大歓迎だ。
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