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退院してから一ヶ月後。
恭弥と絵美里は結婚した。
「私、幸せよ」
「俺だって」
絵美里は恭弥をみつめて微笑んだ。
すべては思い通り。これで本当の幸せを掴むことが出来た。
絵美里は心の中で呟いた。
『私は、本当は物の怪なのよ。全部、私の策略だったのよ。夜雀も事故も天狗のハグンのこともね。ハングの仲間なんだもの』
天狗の長が『物の怪同士でなければ結婚は許さん』なんて睨み付けたせい。
『恭弥、許してね』
恭弥が引け目を感じることなんてない。恭弥が秘密にしていることは、全部知っていることだから。
『私の秘密は永遠に話すことはないだろうけどね。知ることになるとしたら、命がなくなるとき』
絵美里は、「大好き」と恭弥に抱き付いてニヤリと笑みを浮かべた。
(完)
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