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もう絵美里の笑顔を見ることが叶わないのか。満天の星空という最良の日だっていうのに。なにしている。事故だなんて、ふざけるな。
絵美里の笑顔が、泣き顔になっちまうじゃないか。
待て、待て、待て。まだ死ぬと決まったわけじゃない。諦めるな。絶対に諦めるな。助かるはずだ。奇跡的に復活を遂げる。そして、絵美里にプロポーズをすればいい。それこそ、サプライズじゃないか。そんな命がけのサプライズなんかいらないか。
ああ、なんだか物凄く眠くなってきた。目の端に赤い液体が溜まっていくのが映る。
これって……。
恭弥は、瞼を閉じた。意識の糸が完全に寸断された。
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