夜雀が死を招く

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 午前一時。  けたたましい電子音が鳴り響く。  恭弥の心臓が止まろうとしていた。  医師と看護師とが駆けつけて慌ただしく処置を始めている。  なぜか恭弥は上からそんな様子を傍観していた。これはもしや幽体離脱なのか。きっとそうなのだろう。 「心肺停止しました」との声が。 「そうか、俺は死んだんだな。呆気ない終わり方だ。絵美里を残してこの世を去るなんて」  医師は心肺蘇生に尽力を尽くしているようだが、おそらく無理だろう。こんな場面を見ることになるとはな。死んだ後には誰かがお迎えに来るのだろうか。ふとそんなことを思い、あたりをゆっくり見回してみた。誰もいないか。あの世へはどうやって行けばいいのだろうか。自然と辿り着けるものなのか。  いったいなにを考えているのやら。  ほら、頑張って蘇生しようとしているじゃないか。身体に戻れば生き返れるんじゃないのか。恭弥は自分の身体へと近づいていき、手を伸ばしたそのときなにか不思議な力に弾かれるように飛ばされてしまった。  なるほど、そう簡単には生き返れないってことか。
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