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警察署から、最寄り駅に向かってトボトボと歩く。
電車に乗り、自宅へ帰り着くと、尚人の口元がフッと歪んだ。
『。。。ふっ。ははははは、あはははは!死んだ!死んだのか、弥生のやつ。ははははは。思い悩む必要もなかったな。あはははは!』
笑いながらベッドに倒れ込むと、尚人はノートパソコンを立ち上げ、ファイルを開く。
そこには、弥生からのメッセージが保存されていた。
《尚人君♪お疲れ様!尚人君、もう、邪魔者はいなくなったよ!これで心置きなく、尚人君と会えるね♪YAYOI》
そう、あの夜のメッセージ。
おそらく、由佳を殺して帰宅後すぐに送って来たのであろう。
受信時刻は、深夜まで残業して尚人が帰宅した時間の、ほんの少し前。
尚人が頼んだわけではなかった。
もし弥生が捕まってしまった時に、尚人が望んでいたとうっかりこぼしでもしたら困る。
3人で会った日、趣味の話で盛り上がったあと、由佳がトイレに立ったのを見計らって弥生がパソコンのアドレスを書いた紙を渡してきた。
また趣味の話の続きでもしたいのだろうと、軽い気持ちでメールを送った。
それからしばらくは、お互いの趣味の話でやり取りしていたのだが、ある日弥生からの告白メールが届いた。
《由佳には申し訳なくてずっと言えずにいたんだけど。。。言わないつもりでいたんだけど。。。やっぱり我慢の限界!私、尚人君の事が好きなの!だからどうって事はないんだけど、私の気持ちを知って欲しくて(///ω///)》
尚人はしばらくパソコンの前でメッセージをジッと眺めていた。
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