第1章

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車で自宅に戻る。 車を庭の片隅に止め、真っ暗な家に入り廊下の電気を点けながら、一番奥の部屋の扉を開け電気を点けた。 それから部屋の中の女の子に声をかける。 「ただいま」 「お、おか、おか、おかえり、な、なさい…………」 部屋の中央に置かれた檻の中に閉じ込めている女の子が、返事を返してきた。 「コラ!! もっと元気な声で挨拶しろ」 「は、はい! お帰りなさい!」 「そうだ、それで良いのだ。 やればできるじゃないか」 「先生! お願いです。 家に帰らせてください。 先生の事は絶対に喋りませんから」 「何度言ったら分かるのだ、お前の家はここだ!」 帰宅途中で立ち寄ったコンビニで購入した、弁当とお茶のペットボトルを檻の中に放り込む。 「食え! 飯だ。 お前がこの家を出ていけるのは、死んだ時だけだ。 と、言っても、死んだ後に入る墓穴は、裏山にある涸れ井戸だけどな。 涸れ井戸には、お前の前任者を含め5~6人のガキがいるから、寂しくは無いぞ。 ハハハハハハ」
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