紫陽花の色

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「あの、これ」 彼女はおもむろに手を差し出してきた 「なに?」 指先を見ると少し長めの髪の毛が一本あった 「これ、誰の髪の毛ですか? 誰か部屋にいれたんですか? 女の人ですよね? 抱いたんですか? 」 彼女は物凄い剣幕で早口にまくし立てた 「おいおい、俺はずっと仕事してたし、合鍵だって君しか持っていないよ 髪の毛なんて服についたりして付く事があるだろう」 「いいわけですか! いいです、それなら今から調べますから」 彼女は持参したコロコロテープでカーペットを端から掃除しはじめて粘着した髪の毛を一本一本調べはじめた
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