紫陽花の色

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「ちょっと待って」 彼女は靴下を脱ごうとする俺を制止した 「なんで朝と履いた靴下が左右違うのですか! どこかで脱いだんですか! 女の家ですか!」 「暑いから休憩中に脱いでクーラーにあててたんだよ と言うかなんで脱いだってわかるんだよ」 「左右が分かるように縫い糸をつけてあるんです」 こんな細かいやりとりが、やがて毎日となり俺は少し気味が悪くなってきた そこで意を決して彼女に質問をしてみた 「飯も美味いし、顔もスタイルも良いしなんで俺なんかの所に居てくれるの もっとお似合いの男性とか居たかと思うけど」 「アナタもそんな事を言うのね!」 彼女の顔は怒りとも失望とも思えない狂気の顔をしていた
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