ひとりごと

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それはまるで人間世界そのものだ 庶民、大衆、小市民、凡人、愚民、 他にも呼び名はあったっけ 大した志しはない その日暮らしの 小さな快楽で慰めるだけの その低さから抜け出そうとしない 深海魚達だ 深海の中にも様々あって 本当の底辺の深深海から 中深海、浅深海と 下の下から下の上、中の下まで よりどり緑、深緑 さしずめ俺の生活半径は 浅めの深海と言ったところか おぞましい本当の底辺からすれば 今、自分が暮らし働く環境を そこまで卑下する事もないが 本当にウンザリする事も多い 皆が身勝手で相手や周囲を考えない 何十年も生きているのに 他者を思いやれない 自分の事しか考えていない 3才児のような大人ばかりだ しかしそこにいるという事は 自分もまた そんな同じ深海魚なのだろう 他人は自分を映す鏡なのだから 日々出会う腹立たしい人々は 自分自身であるとも言える 皆の浅はかなワガママを 見下し罵るのは簡単だ 理性をよそに後先考えず 怒鳴り付ければ良い 人を支配するのに 「恐怖」は一番安価で効果的だ しかしそんな安い優越感は 後に自分を蝕むだけだ 彼等の長所に気付けない自分を嫌悪し 病のような不治の後悔に またとり憑かれてしまう そうしたら今よりもまた深い海へ 自らを落としてしまうだろう 息継ぎも出来ない 沼のようにまとわりつく 深深海で溺れてしまう ーー今は24:14ーー ーー雨は少しやんだようだーー
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