生きる理由

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どういう状況だこれは 今、俺は謎の男から 生きる理由を聞かれている いや、謎の男って言い方はおかしいか クラスメイトだし 謎ではないな でも、俺はこいつと話したことなんてないはずだし てか、そもそもこいつが人と話してるところ なんて見たことがない 教室には滅多にこないし 来たとしても ずっと寝てるし 俺が知っているこいつといったら 色白で細くて 触ったら折れちまいそうなやつってだけだ そんなへんな奴に 今、俺は話しかけられている しかも、生きる理由をだ 話している感じ いや、一方的に向こうが話しているだけなんだが それを見てる感じ 性格は悪い めちゃくちゃ悪い 自分勝手で自己中 自分が1番だと思ってるタイプだ 見た目からはそんな感じは一切しないから 余計に驚く 他の女子が言ってたことだが こいつは顔は特別いい方だ というかいい 断言できるほど 綺麗って言葉が合うやつ 儚い、神秘的、神々しい そんな言葉があいつには合う 細っこい体が余計にその言葉を 際立たせている 女子からの人気は高く 一部の男子からの人気も高い この顔なら抱けるみたいなことを 誰かが言っていた そんなこともあり 少しだが、俺もこいつには興味があった だが、話しを聞いていてわかった あぁ、こいつはおかしいやつなんだ
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