たったひとり #2

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男が胸ポケットから携帯を慌てて取りだした 【はいっ。………は!?……………分かった……】 アタシは耳を澄まして聞く。 ねぇ なんでそんな暗く電話で話すの シンクンの事じゃないよね 【シンクンは大丈夫そうですか?】 アタシは聞いた 【うん。】 なんでそんだけしか言ってくれないの 頭の血管が激しく脈うつ。 心臓はもう破裂寸前だよ シンクンお願いだから無事でいて。 そればかり願う 車がとろく感じる 男もだいぶイラついてる クラクション鳴らしっぱなしだもん なんでそんなに慌てるの? 骨折とかそんなんじゃないの? シンクン…アタシ…1人ぼっちにならないよね…
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