たったひとり #2

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カバンを開けると シンクンの匂いがカバンから溢れてくる。 シンクンがまだ生きてるような錯覚に陥った。 キレイに畳まれた作業着。 アタシは作業着を取り出して抱きしめる。 シンクンの匂い…。 気持ちが少しだけ安らぐ。 アタシは作業着を抱き締めたままカバンの中を探した。 するとカバンの奥にヘルメットが見え、ヘルメットを取り出してみると…アタシの膝に何かが落ちた。 小さな四角いリボンのついたカワイイ箱…。 つぶれないようにヘルメットで保護してたんだ…。 次から次へと大きなシズクがアタシの頬を伝ってゆく。 プレゼントを拾うと…すぐそばにピンクの紙も落ちてる。 よく見るとそれはピンク色の便箋で宛名部分に 『まいへ』 って書いてあった…。 アタシはドキドキしながら、それを丁寧に開けた。
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