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双竜さんは目を見開いて「ちょ…俺の秘密はまだ…」なんて呟いていたけど、ぽぽあってぃさんはそれを知ってか知らずか、構わず企画の進行を推し進めた。
参加者の視線は双竜さんからノン太さんに集まる。
「僕かぁ…」
壁に背をもたれて、片膝を立ててその上に腕を置く姿は大人の色香を漂わせていた。
あたしを含め、女子はその仕草と余裕のある笑みにキュンと胸をときめかせたに違いない。
「ぽぽあってぃさん、僕の本当の『秘密』を言えばいいんだよね?」
「ええ。嘘じゃなければ多少盛ったりしても構いませんよ」
ぽぽあってぃさんのその言葉に「そうですか」と静かに答えたノン太さんはふっと笑みを零した。
その時だった。
あたしはまた背筋に冷たい悪寒が走り抜けた。
…気のせいじゃない。
全身に鳥肌が立つ。
優しそうな笑顔の裏に潜む違和感にあたしは気づいてしまったんだ。
「僕の秘密はね…」
戦慄が走るあたしを尻目に彼はゆっくりと口を開いた。
「ここに来る前、1人殺してきたことかな?」
そう言って、彼はニンマリとして不敵な笑みをあたし達に向けた。
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