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…え?
「…な、なんだー!作品の話ですかー!びっくりしたじゃないですかー!」
全員、喉に詰まっていた息を吐き出して、安堵の表情を浮かべると、それまで重たかった部屋の空気が一気に軽くなっていった。
「すいません。なんか悪戯したくなっちゃって」
無邪気に笑うノン太さんは頭を掻いて、全員にお詫びをする。
「実は僕の秘密なんですけど、本当に恥ずかしくて言いたくないんですよ。これで勘弁してもらえませんか?」
誰しもが、重たい空気から解放されたのもあって、ぽぽあってぃさんも「特例ですよ?」と言って、ノン太さんの番は終わった。
かく言うあたしもほっと胸を撫で下ろす。
しかしまぁ、やられてしまった。ノン太さんの迫真の演技に。
少しいやらしい気分になってしまった恥ずかしさは残るけれど、それは胸の奥にしまって『墓場まで持っていく秘密』を1つ追加しようと心に決めた。
「じゃあ次は音夢さんですね!ノン太さんの次でハードル上がってしまいましたが、あまり気にせず『秘密』を言っちゃってください!」
…はっ!?
そうだったっ!!
あたしの秘密は…さっきのノン太さんの話でエッチな気分に…
って、違うでしょ!?それダメなやつでしょ!?
あたしの秘密……ダメだ。
用意してた秘密じゃ、ノン太さんの後に言えないよ!!
ハードル上げすぎだよ!!
ノン太さんのばか!!ばかばか!!
けれど、そんなこと初対面の人に言えるワケでもなく、あたしは恨めしそうにノン太を見る他なかった。
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