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趣味の世界のオフ会だから話もしやすいんだろうな。
そんなことを考えながら周りを眺めていると隣に座っていた男性が私に声をかけてくれた。
「音夢さん…でしたっけ?はじめまして。ノン太です」
「はじめまして、音夢です」
簡単な挨拶を交わすと、ノン太さんは優しい微笑みを浮かべた。年齢は30代半ばくらいで、笑うと目尻に皺ができる、どこか大人の色気が漂う男性だった。
「失礼ですがご職業は?」
「あ、まだ学生なんです。でも成人なんでお酒は飲めますよ?」
「そうですか」と目を細めて微笑むノン太さんは「今日は楽しみましょうね」と言ってくれて、若干緊張していた気持ちが大分和らいだ。
そして私のカシスオレンジが届くと、幹事のぽぽあってぃさんは徐ろに立ち上がり、乾杯の挨拶を始めた。
「えー!全員のお酒も揃いましたので、乾杯したいと思います!話が長くなるとアレなので…とりあえず乾杯!」
突き上げられたジョッキに習ってみんなで「乾杯!」と声を上げると、
ぽぽあってぃさんが「一つだけ」と言って今回の趣旨を説明し始めた。
「少し歓談した後ですね、今回の想像コンテストのテーマである『墓場まで持っていく秘密』に因んで皆様の『秘密』について発表しあう時間を作ろうと思います!それではしばしご歓談を!」
ぽぽあってぃさんはもう一度「乾杯!」と言って、席に座るとそこから記念すべき『第1回ラブリスタ想コンを語ろうコミュオフ会』が始まったのだった。
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