19  もう、飛ばなくちゃ!  (続き)

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正直、「幸せ?」と尋ねれば、必ず嬉しそうな笑顔で頷いてくれる。 それに、別段、望んでいることを我慢しているようにも見受けられない。 だが、そんな彼女を、もっと幸せで輝かせたい。 欲にも似たこの感情が、俺の中ではどんどん膨らんでいく。 しかしやっぱり俺は、その感情を満たす術を見付けられずにいた。 だが、今の俺には、こんな時にはコイツがいる。 そして期待違わず、彼女との出会い以来 なぜか肝心な時の鍵を握ったらしいこの男が、 再び俺に鍵を投げてくれる。 それは五月も半ばとなった、ある日の昼休み。 珍しく、コンビニで弁当を買ってきた笹本の他愛のない会話に始まった。
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