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その日の夕食は、悠斗にとって物珍しい料理が並んでいた。
コイの洗い、フナの甘露煮、ナマズの蒲焼、などなど。
市場で買ったばかりの新鮮な川魚のフルコースである。
「ぬおっ。これは……」
川魚には苦い思い出しかない悠斗は、一瞬、苦悶の表情を浮かべる。
けれども。
美少女が自分のために作ってくれた料理であれば、男として食べないわけにはいかない。
意を決した悠斗は、おそるおそると言った手つきで箸を伸ばす。
(あれ……? 意外に臭わないぞ)
川魚特有のクセはあるのだが、食べることには全く支障のないレベルである。
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