【始動編・ゲームの世界が壊れる刻・第三章】

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すると、更に目を細める佳織が、 「ホラっ、まぁ~た、そうゆう発言をする」 と、突っ込んで言うではないか。 流石に、皇輝も言われる意味が解らないと。 「はぁ?」 と、聞き返した。 正直、メフィストゥの次に意味不明と感じた皇輝。 だが、半目のままの佳織は、 「皇輝さん。 もっとさ、気楽に行こうよ。 2つのワールドを攻略して、ある程度の仕掛けが解った感じするでしょう?」 そう言われても、用心深くメニューを開いた皇輝。 「そうですかね…。 ま、クリア条件は、まだ‘制限時間’と‘パスワードの入力’と在りますから。 第一のワールドと、基本は変わらないかと思いますが…」 この返しに気を良くした佳織。 「ほ~ら、もっと気楽に行こうよっ!」 と皇輝の腕に手を掛けて、並んで学校に入った。 さて、このステージ1の学校は、5階建ての校舎。 広い校庭と立派な体育館。 更には、テニス・サッカー・野球等スポーツをする為のグランドに合わせ。 調理実習や実験室などの専門教室と。 視聴覚室やら広聴室と云う、多目的用途に使う部屋が在る別棟も含み。 広い敷地を動く必要が有った。 だから、 「佳織さん。 仕様が解って居るならば、手分けして動き。 校舎以外の外堀から埋めて行きましょう」 と、皇輝が提案する。 「はいはい、リョ~カイ。 お互いに、プレイの制限時間が近くて延長出来ないから、さっさと回りましょ~」 何となく引っ掛かる言い方を残して、佳織は走って行く。 だが、佳織の言わんとすることは、確かなことだ。 F・Sの連続プレイ時間は、最長で設定しても5時間。 今、現実の時間が、日付の変わる前の23時50分前だから。 もう1時間もすれば、否応無しに休憩へ移行する。 詰まり、残り1時間もすれば、メフィストゥの言うことの真偽が解る訳だ。 だが、二人が別れて5分もせず。 〈皇輝さん。 この校庭って、完全に小学校よね〉 と、佳織からチャットが入る。 〈まぁ、シーソーやブランコに、ジャンボ滑り台も在りますし。 タイヤを半分地面に埋めた、遊び場も在りますからね〉 この時、プール脇を歩いて、遊具のアレコレを見て回る佳織は。 フェンス越しに、プールが片側に見えていてか。 〈でも、皇輝さん。 プールが、丸いのと競技用の25メートルが在るって、お金持ち系列じゃない?〉
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