クワフル少女

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2-B 「すいません、体調が良くなったので授業に復帰します」 教室に入ると現国の授業は終わって古文となっていたが、教師は同じ国分先生だった。 「ああ、席に着いていいよ、無理しないようにね」 暫しクラスメイトの注目を浴びて、教室の奥へ進む、やっぱり印象悪いよな、虚弱体質かと思われているかも。 自分の席に着く前に、ふと例の女子に微笑まれた、隣の席の府中香、さんだ。 その微笑みの意味は、優しさと心配に違いないが、誰のせいでこうなったのかは、まるで分かって無いのが伺えた、オレは無視して着席した。 触らぬ神に祟り無し、生徒の殆どがやっている事なら、オレも見習う事にするよ。 授業に集中する、前の学校と比べると流石に楽な内容だが、ちょっと油断しただけで置いてけぼりを食らう程の緊張も脅迫観念も無く、のびのびと受けられる授業にはレベルの高さと、有り難ささえ感じた、その辺もこの学校の教育方針とかの恩恵なのだろうか、あからさまに教師の話を聞かない者など一人も居ない、授業を受ける姿勢は誰もが真面目だ、府中さんも、熱心に黒板の文字をノートに取っているようだ、そう言えば、あの強烈な悪臭も、いつの間にか気にならなくなっていたのは、このマスクのせいか、慣れのせいか、それとも臭いは時間とともに薄れていくのだろうか、試しにマスクを顎にずらしてみる、鼻を膨らませ、そして府中さんを見やると。 「ん?」 うおっと、危ない、眼と眼が合っちゃったよ、意外に勘もいいな、この娘。
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