クワフル少女

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そして放課後になった。 6限目が終わって、時刻は15時30分だ。 この学校、全寮制につき夕飯も支給される、19時から21時まで利用できる食堂で食事を済ませるのだ、それまでは、各自、クラブ活動やら、勉強やら、外に遊びに行く者やら、申請すればバイトも出来るし、門限も融通が利くという、意外に自由な校風だ。 そしてこの巨大なシェアハウスのような環境下では、コミュニケーショの得手不得手が住人に大きく関わってくる。 自室は完全個室となっているものの、学校の生徒同士、否応無しに顔を合わせてしまうシチュエーションは多い。 荷物が来るのを待ってる間、自室を見たいと思い、オレは寮母さんの元を訪ねた、カギを借りるのだ。 「あっ、浅井君」 寮棟玄関入ってすぐ、寮母さんに先約があったのか、その娘は丁度そこにいた、オレを見つけた途端にちょっと照れた笑顔で愛敬を振りまく、こっちもつられてにやけてしまう、そんなシチュエーションをくれたのは、府中香、本人だった。
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