クワフル少女

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「浅井君、前の学校は成開高校でしたっけ」 オレは転入初日、世間話をしながら新しい教室までの廊下を担任の国分先生と歩いていた。 「ええ、でも自分は相当おちこぼれでしたよ」 やれやれ、成開って言えば生徒は皆頭が良いと思われてしまう、いい迷惑だよ、もっともこの養老川高校とやらもそこそこ程度はいい学校だ、お坊ちゃんお嬢ちゃんが多いと聞いたし、有名大学進学率も結構高い、まぁオレに取っては、全寮制、ってのが転入の決め手だったが。 「見ての通り、不真面目な格好なので先生に目を付けられていましたよ、ぶっちゃけ、はみ出し者です、もっとも何度も言いますが、この髪の毛は地毛ですからね」 まっ茶色、この頭のせいで誤解が後をたたなかった、融通の利かない大人や、頭の悪い不良の因縁、やれ成開のくせに、やれ坊ちゃんのくせにとか、その点、ここは寮が校舎に隣接しているから通学の煩わしさが無いのが強みだ。 「フフフ、分かっていますよ、大丈夫です」 国分先生は、大したこと無いと言う素振りで笑っていたが、不意に真顔になった。 「君はまだ、可愛い方ですよ」 は? 「さあ、着きました、ここが教室です」 2-Bと書かれたプレートの下、颯爽とドアを開け教室内に立ち入ると、オレは少し異様な光景にたじろいだ。
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