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「あの、先生?」
なんだろう、オレは何か変な事でも言ったのだろうか。
「あー、不良少年よ、もし君が仲間を救うために法を犯さなければならくなったとしたらどうする」
不良じゃねえし、それになんだ、この抽象的な質問は、友情のためなら、とか言えばいいのか。
「警察を呼びますね」
「そう、警察をって、えっ!」
「はい、普通に警察です」
「お前~、何を言ってるんだ、こうゆう時は、愛する君のためなら例え全世界を敵にまわしても僕は戦います、とかだろ、信じられる味方は自分とその恋人しかいない、どんなに過酷な逃避行でも2人ならやっていける、それが真実の愛、だろ」
何なんだ、設定がどんどん自分勝手に変わってるし。
訳の分からないロマンティックをムキになって講釈する、この女教師に圧倒される。
「そうですね、まずは信用のおける精神科医に相談してみますよ、きっと熱心に愛の逃避行のプランを親身になって聞いてくれますよ」
「う、ぐ、妙に口の立つ不良少年だな、名前はなんだ?」
「今日転入してきた、浅井優希です、ちなみにこの髪は地毛ですから」
転校生と聞いて思い当たる節があったらしい、先生はポンッと手のひらを拳で叩いて言葉を返した。
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