クワフル少女

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「あー、君か、成開から来た転入生ってのは、なんでも転入試験、凄い点で通ったらしいな」 試験の点数までは知らなかったが、解らない問題は無かったな。 「そうか、そうか、じゃあ、彼女、府中さんの事も初めてだったって訳だな」 「府中って、あの悪臭女の事ですか」 「こらっ、女の子にそんな悪口を言ってはいかんぞ、そんな事言ったら傷ついてしまうだろ、あれで本人気づいて無いのだから」 本当に知らねえのかよ、呆れたね。 傷つくだろうが、泣こうが喚こうが、それでも言わなきゃ死者が出るっつーの。 「それは教えてあげましょうよ」 「いいやダメだ」 「なんでですか」 「うーん、少し話が長くなるが、教えておくか」 仁科という女教師は自分のデスクとセットのチェアーに腰掛けて脚を組み、くるっと回ってオレの方を向いた、もったいぶってる割に話す気マンマンだ。 「まぁこの学校の者なら誰もが知っている話だからな。 府中香、彼女は学校はおろか、この町でも知らない者はいない程の有名人だ、その理由の一つに、彼女がこの辺の大地主の孫だとゆう事なのだが、ただの土地持ちじゃないぞ、この町を含む、向こうの山からこっちの山まで全部が彼女の祖母の土地らしい、ちなみにこの学校の土地も府中さんのお婆様の土地、なんと無償で借りているそうだ」 なんかスケールでかいな、でもなんとなく分かってきたぞ、仁科先生は続けて言った。
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