月曜日

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月曜日 とにかくとび回ってみた。森の中は、うすぐらく、友だちゼミのなきごえが、あちこちから聞こえてくる。まけずにないてみた。 外は思っていたより広く、セミの小さな目では、とらえきれるものではなかった。きらくなセミには、くらい土の中のほうが、おちついてくらしていけた気がする。もう土がこいしくなってしまったのかと、少しあきれてしまったが、もうもどりたくはない。  休んでいると、見たこともない虫が、近よってきた。細ながく、うすいはねをもつトンボだった。 「こんにちはセミさん。いいお天気だったので、海のほうまでとんでいったよ。きみは海というものを知っているかい?」 「知らないな。それはどんなところなんだい」 「大きな水たまりなんだが、青くてきれいで、とにかくでっかくて、すばらしいところなんだ」 「ほう、それはぜひ行ってみたいな。どこにあるんだい?」 「山をふたつぐらいこえたむこうさ。でもいいのかい? セミさんは、歌うのにいそがしいはずだよ」  セミはしばらく考えてしまった。気がつくとトンボはもういなくなっていた。
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