冬月

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朝には彼はいなかった ポツリと布団の中に置いて行かれた私。 肌寒さに目も冴える 「ああ、今日もあの人はいないのね。いつの間にか消えてしまって…」 ちらりと日記帳に目を向ける。 私の目は更に冴えた 筆がいつもの場所ではない。 『雨はまだ降らないようだ。答えは次の夜にお預けとしようか。今日も頑張るんだよ。』 彼らしい細い字でそっと書き足されていた 私は日記帳を抱きしめる ふわりと何かが香った 優しい、深い、懐かしい香 私が育った村を思い出した
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