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何とか身を守って、殺人未遂罪という罪を羽良野先生に着せる。それが、ぼくのできる精一杯の抵抗と対策だ。
裏の畑の大根も気になるけど、まずは大原先生をなんとか退治しよう。
幸助おじさんとの約束は午後の7時になってからだった。
薄っすらと暗くなりだした裏の畑で行われた。
ヨモギ・ドクダミなど止血剤となる薬草。静脈と動脈? まで達したら、つまり体の奥まで刺さったら刃物は抜かないこと。
手やタオルなどで傷口を強く押さえること。
幸助おじさんは、取り分け厳しく事細かに実演しながら教えてくれた。
ぼくは何度も聞き返して、頭に叩き込んだ。
翌朝。
早朝に裏の畑に行った。
昨日の悪天候が続き、薄い暗い雲が御三増町全体を覆っていた。
今にも大雨が降り出しそうだ。
ぼくは眠けを我慢して砂利道を歩いていると、ぼくが植えた大根の辺りに虫の群れが湧いていた。
ぼくは虫を取り払って、大根を抜いて家に帰る。
早速、キッチンで、まな板と包丁を用意して一枚だけ輪切りにして、口に含んだ。
辛い!
大根は凄く辛くて、どうしでも生では食べられなかった。
三部木さんが、嘘を言っていなければ、利六町の大根は甘かったはず。
だけど、裏の畑に大根を植えると辛くなった。
一体どうしてだろう?
さて、三時まで時間のゆとりがある。ヨモギ・ドクダミなど、タオルと固定するためのガムテープなどはすぐに揃いそうだ。
念のため麦茶と大き目のビスケットも揃えた。
殺人未遂罪を大原先生に着せれば、脅威がなくなって、この事件の捜査がしやすくなる。
ぼくはリュックにそれらを入れて、時間になるまで部屋で読書をした。
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