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「……まひろ。もうそろそろ、いいか?」
「え、そろそろって……なんですか?」
「………覚悟、できたか?」
覚悟……あ……。
『今夜は覚悟しとけよ』
車の中で言われたことを思い出して、顔が沸騰したように急に熱くなった。
「あ、あの……私、初めてなんで…」
「…………知ってる」
優しくキスされて、そのまま自然とベッドに誘われた。
「まひろ……お前の本当の姿が見たい。お前が……欲しい」
もう少しで日付が変わる頃……。
いつの間にかこんなにも大好きになっていた貴方に、私のことももっともっと好きになって欲しい。
「ありのままの私を………あげる」
──24:55。
「まひろ、お前メチャメチャ可愛過ぎ…」
「主任は、人格変わり過ぎですよ……」
私はいつもの無愛想でぶっきらぼうな主任も、さっきのような優しくて甘い主任も、どっちも好きだけど。
「俺もいい歳して、大概だな………」
はっ!!そうだ!!もう日付変わって1時間近く経ってる。
「主任、お誕生日おめでとうございます!!」
「サンキュ。すっげーいいもの貰った。お前の初めての……」
「わーわーわー!!やめて、言わないで!!主任のバカァ!!」
「夜中だぞ、近所迷惑……。いや、もう既にか……」
声を出せなくなって、またポカポカと叩いて抗議した。
今日、8月7日は佐伯主任の誕生日。
プレゼントはちゃんと用意してあるっていうのはまだ内緒。
今日は1日中、一緒にいてお祝いしてあげる。
「もうそろそろ寝るぞ。それともまひろがもう1回したいって言うのなら…」
「おやすみなさーい!」
主任の腕に抱かれて、主任の夢を見ながら、眠りへと落ちていった……。
番外編、END
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