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忘れ物………?
そういえば、さっきからお尻に何かが当たってる。
バッグだ、これ確か、なつみんの。
「これでしょ、待ってて」
私はポケットに入れてあったマスコットを素早くバッグに付けて、バッグを手渡した。
「ありがとう……。あれ、なんで?なくしてたマスコットが!」
「なっ…なつ…なつみ…!ごめん、あの…そのマスコットはね」
どうしよう…なんて言うか考えてないのに!
「実は……イチにぃ、そうイチにぃが隠し持ってたんだって!!」
「は?」
ごめん!イチにぃ。
一瞬、氷のような冷たい視線で睨まれたけど、見なかったことにしよう。
「さっき私が取り返したから!だから、また菜津美が持っててくれる?」
「うん、勿論OKだよ……まひろ」
帰るためにまた吊り橋を渡る。
主任の腕にしがみついて、ゆっくりと歩みを進めていく。
「大丈夫か?我慢できなくなったら言えよ。無理するな俺がちゃんと連れて帰るから」
そんな優しい主任に、どうしても聞きたくなってしまった。
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