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凪
大航海時代と呼ばれたのはいつからだろうか。
こんなおんぼろな船でも嵐を乗り越えられる。
嵐のあとにたどり着いたのは、眩しいエメラルドの海。
サンゴ礁だ。
船底に穴を空けぬよう、船を留められる岸を探す。
「船を修理したら出発だ! さっさと作業しろぉ!」
俺は大声で屑どもに命令を下した。
「世界はずいぶんと狭くなったな。
まさかあんなところでスペインの輸送船に出くわすとはな」
オヤジが酒臭い息を吐きながら、俺の隣に立った。
――ここはカリブ海。
俺たちはバッカニア(カリブの海賊)
そしてこの船は……確かバルトロメオ〇世号
何せ、もう何隻目か分からねえ。
奪った船に、オヤジは俺の名を付けるのだ。
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