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「てめえ、キャプテンをやりやがったな」
オヤジの腰ぎんちゃく達が俺に銃口を向けた。
その弾丸を避けるように膝を折り、素早く剣を抜く。
所詮は雑魚ども。
俺はオヤジの首にかけられた金の鎖を引きちぎった。
「これだ」
あの船に掲げられた旗の模様。
あれは、俺の家の紋章だった。
手にしたペンダントヘッドと同じ、マカラ(伝説の怪魚)とクロスを組み合わせた紋章。
マカラの眼には深紅のガーネットが埋め込まれていた。
船と船をつないだ梯子を駆け上がる。
そこで見たものは血に濡れた甲板で、奇声をあげ逃げ惑う船員。
いつもの光景。
「全員ひっ捕らえよ!」
俺は雨に負けぬよう、大声で命令した。
「***#$&??……」
無駄な言葉を口にする。
命乞いだろうが、俺たちは余計な恨みを残さぬよう、全て海に沈めるのが習わしだ。
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